ブラジルへの投資 ―債券か株式か企業進出か、はたまた不動産投資か―

経済成長が顕著な新興国としてBRICsという呼称が周知されて久しい。

Bのブラジル(Brazil)、Rのロシア(Russia)、Iのインド(India)そしてCの中国(China)である。

先週の4月14日には、これら4カ国に南アフリカ(South Africa)を加えて枠組みを拡大し、
名称表記もBRICSとしたBRICS5カ国首脳会議が中国で開催された。

首脳会議に先立ち、各国の経済・貿易担当相会議も開催され、
経済連携を強化するための常設組織の設立されることとなった。

先進国への対抗軸としての存在感を高め、
結束して欧米主導のルール設定や外交への牽制を続ける狙いがあると見られる。

これら注目の新興国の中でも、ブラジルは、
日本にとって物理的にも精神的にも遠い国である。

1990年代後半から始まったブラジルの国営・公営企業の民営化等に代表される
資本市場の開放にヨーロッパの企業はいち早く反応し、大量のヨーロッパ資本が流入。

ブラジルの低中所得者層の台頭による経済成長の波を上手に掴んだ。

また、アジア勢の中では、韓国企業によるブラジルの
リテールマーケットでの展開がめざましく、
家電市場、携帯端末等の市場では韓国ブランドの進出が著しい。

一方、日本企業は1960年後半から70年前半にかけ、
いわゆる重厚長大といわれる産業を中心としたブラジルへの投資が行われたが、
その後の石油危機による経済悪化、インフレ、対外債務の累積、
そして80年代の債務不履行問題等が重なり、長らくトラウマから抜け出せず、
ブラジルにおけるIT化を含む新しい産業構造の変化、
そして経済政策の変化をビジネスチャンスとして機敏に捉えることができなかった。

もちろん、同時期に近隣国である中国をはじめとするアジアへの投資に忙しく、
ブラジルまで目が回らなかったという事情もある。

2014年のサッカーワールドカップ開催、2016年のリオデジャネイロでの夏季オリンピック開催、
と国際的なイベントが目白押しのブラジルは、
2020年のサンパウロでの万博開催にも意欲を示している。

着実な経済成長を背景に、国際社会での注目度は向上し、
海外からの投資資金の流入も加速している。

2010年の年間へのブラジルの資本流入は国際収支ベースで1654億ドルに達している。

これらの中には、一方、高金利を背景とした投機的資金も流入している。

リーマンショック後に、日本人によるブラジル債券への投信が拡大したという
ニュースを覚えておられる方も多いだろう。

日本からのブラジルへの投資は債券に偏っているとの意見も多く、
今後、株式への投資の拡大が期待される。

また、ブラジルにおける不動産投資もしかりである。
内需拡大を牽引する住宅市場の拡大や商業施設の建設、
インフラ整備等、近時の不動産市場の拡大には目を見張るものがある。

日本ではあまり知られていないが、証券化の法制度も整っており
(秋山祐子 「ブラジルの不動産証券化市場」『不動産証券化ジャーナル』2009)、
上場ファンドから私募ファンドまで様々な選択肢がある。

投資リスクに関する分析も進んでおり、また、不動産鑑定評価基準も独自の基準を発展
させてきた経緯がある(秋山祐子「ブラジルにおける不動産鑑定評価」『不動産鑑定』2009)。

意外と不動産投資環境は整っている。
ただし、日本の不動産投資では考えが及ばないようなリスク要因などもあるので、
現地に精通する専門家のアドバイスは必要である。

そして、やはりブラジル国内のマーケットを対象としたさらなる
日本企業の進出も今後期待されるところである。

ところが、ブラジルでの投資誘致では、「ある程度進出規模を提示して、(個別に立候補地の州政府等との)投資優遇条件交渉に入る」必要性がある(桜井敏浩著「どちらが必要?発想の転換―ブラジル投資誘致に思う ラテン・アメリカ政経学会 会員リレーコラム 2011)。

日本企業にはなかなかハードルが高いようにも思われるが、
躊躇している間に、気がつけば、ビジネスチャンスは前を通りすぎているかもしれない。

大阪支所長 秋山祐子

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